祝・隈部館跡国史跡指定記念
編著 冨田 巖 (自費出版・2000円)
「隈部親永と歴史ロマン」をたどるノンフィクション小説。原作 長井魁一郎 の小説にみる戦国政治を見る現代版。今戦国武将の立った同じ位置に立ち同じ山河を眺めながら戦国武将の生きた時代にロマンを託し、過去と現在の視点から天正十五年の夏の熊本県肥北で佐々成政と隈部親永の肥後検地をめぐる戦を振り返る。この両武将は不運にして豊臣秀吉の策に翻弄される人生をたどった。 戦国時代に生きるとは、どんなことなのだろう。今を生きる視点から当時のできごとを描写した悠久のロマンが郷土史にあった。
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◎読者の一口コメント
◎読者の感想文
ロマンを読み始めました。
1章46頁を一気に読みました。明善さんの筆力は大したものですね、
というよりも冨田さんの現代語訳が素晴らしいというか 引き込まれました。
佐々と国侍達との初対面の場面の心理描写は秀逸です。
先が楽しみです。
足温器に足を突っ込んで悠久の続きを読んでいます。
これは藤沢周平並みの時代小説です。私は藤沢周平が好きで殆ど全部を読みましたが、
彼の小説にはいつも雪国の雪解けの情景が描かれていますが、一方この本には夏の暑熱が
あふれていて その対比が面白く感じました。なにより文章が素晴らしくアマチュア(?)
が書いたとはとても思えません。
例えば這々の態で坪井川をイナゴのように逃げ渡った(157頁) これなぞは司馬遼太郎の
初夏になれば草むらという草むらがまむし臭くなるような農村だった(燃えよ剣)を
思い出します。語彙も豊富で所々わからない単語があり、電子辞書片手に読んでいるので
スピードが上がりません。(162,163頁がおかしいと思ったら前の頁とダブっています)
まだまだ先が楽しみです。
今朝は、みぞれが降り続いています。只今悠久を感慨をもって読み終わりました。
そして最後まで変わらぬ筆力に感心しました(P262,274,285の情景描写)
文中親永に関する主な本が 少なくとも4冊あることがわかりました。
○明善上人 親永記
○隈部 親養 文献集成・清和源氏隈部家代々物語
○長井 魁一郎 肥後隈部親永の終焉
○冨田 巌 悠久の古代史ロマン